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よろこびの機械The Machineries of Joy

一ノ瀬響Kyo Ichinose

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Notes

才能とはこんなふうに、満を持することなく唐突に姿を見せる
既に辿り着いていて、むしろこの作品こそ私たちが訪れるべき場所であり、古典なのだ。

fromライナーノーツ 西村佳哲(リビングワールド)

A gifted talent turns up out of blue just like this.
It is already there and it's a place where we need to catch up and visit - a classic.
from liner notes (by Yoshiaki Nishimura)

作曲家、一ノ瀬響の原点にして唯一無二の傑作1stアルバム
「よろこびの機械」(2002年)が13年の時を経て新装リリース!

オリジナルリリース時の録音素材により作られた新曲
"Angelic overflow"を新たに収録し、全編リマスタリング、
さらに美術家・小阪淳がアートワークを手がけ、
全ての楽曲に対し描き下ろしたビジュアルブックにより、
新たな息吹が吹き込まれた。

アンビエント、現代音楽、エレクトロニカ…
あらゆるジャンルを無化し、時代を越え聴き継がれるべきサウンドがここに。

"The Machineries of Joy 2015" is a re-issue of Tokyo's renown composer Kyo Ichinose's
one and only 1st album originally published in 2002.
All tracks remastered, and specially for this re-release contains his dreamy
brand new track "Angelic overflow" which was composed using
the sounds from the original recordings he made at that time.
The CD comes with a renewed packaging as a 182mm x 257mm size full-color visual book,
including CG images for each tracks produced by fine artist Jun Kosaka.
Ambient, modern classical music, electronica….
all of these genre names are useless when confronting against this eternal masterpiece.

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Images

Visual Concept

音楽に絵をつけるというのはどういうことなのか。
手がかりとなるのは「音そのもの」はもちろんの事、アルバムタイトルや楽曲タイトルといった「名前」だ。抽象的な音という存在に対し、一ノ瀬響という作家本人が行っている具象化が、「名前を付ける」ということだ。つまり私の作業は、「音そのもの」と「名前」の関係に対して、再びの具象化を行うということになる。音楽に絵をつけるというのはそういう行為だと認識していた。しかし描き終わった後の私の印象は違っていた。
結果として描かれた風景は、このアルバムに潜むエーテルで満たされた世界だった。エーテルとは、アインシュタインが相対性理論によって、その存在の必要性を否定した「光の媒質」である。否定された存在は、妄想の対象となりうる。もしも音と光が共通の媒質を持っていたならばどうだろう。音に呼応する光を紡ぐ作業は、まさしくこの媒質を意識するという作業に他ならなかった。
このアルバムは、音楽作品の集合体というよりも、音と人の間にある、「ありえなかったメカニズム=音と光のエーテル」を表出させたサンプルだと思う。であるならば、このメカニズムで満たされた世界を図示することが、私に課せられた仕事だったのだろう。
それは「音」や「名前」以前にある、ここだけの秩序の姿なのだと思う。

小阪淳

What is it like to draw images for music?
Of course the sound itself will give you some hints, but names like the album and track titles.This is what composer Kyo Ichinose himself is practicing - to give names to the abstract sounds. So in another words, this is an attempt for me to re-realize the relationship between the music itself and it's names.
This is the kind of thing that I have imagined when making the visuals for music. But after the completion, I have realized that my thoughts were totally different.
As a result, the sceneries I drew up were this world full of "aether" hidden inside of this album. The "aether"(Luminiferous aether) was considered as the postulated medium for the propagation of light, and its existence has been denied by Einstein. A denied object could be a subject of delusion. What if the sound and light share the same medium? Weaving the lights which resonance with sounds was an equal process to be conscious with this medium. This album is not a collection of musical works, it is rather an exposure of sample "impossible mechanism = aether combining sound and light)" existing between sound and human being. Therefore my task was to illustrate the world filled with those mechanism. it is a figure of a system that comes way before "sound" or "names".

Jun Kosaka

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Words for "The Machineries of Joy"

宇宙人好きにとっては一ノ瀬響氏の作る曲はたまらないものがあります。宇宙の教会でパイプオルガンを演奏しているような「Blue grains」、宇宙の彼方の星の小中学校のチャイムを連想させる「Installation」、そして金星の住人による合唱のような「The Machineries of Joy」、星の誕生によるガンマ線バーストの音にも聞こえる「Angelic overflow」など、地球人なのにどうしてこんなに宇宙の音をご存知なのか、驚嘆の念を禁じ得ません(と書いている私も生粋の地球人ですが……)。このアルバムは、高次の宇宙存在が一ノ瀬さんを通してもたらした啓示なのかもしれません。それも、低レベルな地球人を見下すでもなく、征服してやるでもなく、近くで優しく見守ってくれているスタンスで……。私たちはいつでもここにいますよ、そんな宇宙人の人情に触れたようで、心の琴線が震えます。

辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)

現在、録音再生技術や電子テクノロジーの存在とまったく無縁でいられる作曲家は少ない。しかし、聴衆との接点として広く機能しつづけてきた、CDという録音再生フォーマットでしか実現できない音楽とは何か、この点に作曲家は決して自覚的ではない。一ノ瀬響のCDがカテゴライズ困難なのは、特定の音楽ジャンルをCDというフォーマットへと落とし込むのではなく、CDという媒体を純粋に援用した、音による芸術そのものを志向しているからであろう。電子メディアの特性とその限界を考え抜き、一作ごとに異なるアプローチで作品化しようとする一ノ瀬の態度は、第二次大戦後に世界各地で黎明期の電子音楽に取り組んだ作曲家たちのそれと、何ら異なるものではない。今回、再リリースされる一ノ瀬の第一作目のCD「よろこびの機械」によって、一ノ瀬の創作の軌跡は新たに捉え直されるものと考えている。

川崎弘二(電子音楽研究)

『よろこびの機械』がリリースされた2002年は、「clicks+cuts」が電子音楽にもたらした革新後の閉塞を「エンドレス・サマー」がこじ開けた直後にやってきた「フォークトロニカ」大勢な時代。そんなアコースティックとエレクトロニクスの生暖かい交わりにちょっと辟易し始めた頃、情緒と無機物という相反する質感を実にたおやかに結び合わせた秀逸なアルバムタイトルが、当時の僕の心に不思議な引っ掛かりを残しました。その気持ちを解くべく足を運んだ発売記念のコンサート。まだ渋谷のファイヤー通り沿いにあったアップリンク・ファクトリーで行われたそのパフォーマンスが自分にどれほどの印象をもたらしたかは、終演後の一ノ瀬さんとの対話がそのままセカンドアルバム『lontano』の制作につながったという事実で十分説明ができます。

それから13年。ひさしぶりに本作を聴き、一ノ瀬さんの作品を時代性で評価することが全く無意味であることをあらためて痛感しています。聴けばあの頃の思い出を蘇らせるどころか、いまだ底知れぬ鮮烈な驚きをもたらす楽曲群は、決してその律動を止めることなくアップデートを繰り返していたのでした。耐えなくまわり続ける歓喜の歯車を、新たな時代とともに再発見できること。この機械がもたらすよろこびを今また味わえるのが、本当に嬉しいです。

安永哲郎(企画制作業/安永哲郎事務室)

再生ボタンを押した瞬間、あなたは宇宙を旅している自分に気づくだろう。様々な惑星や流星、星雲や銀河が現れては消えていく。地球ははるか彼方。孤独な闇の中で意識は混濁し、過ぎていく時間、脳内の映像、過去の記憶、 すべてが融け合っていく…… そのとき突然、音楽が停止する。沈黙。長い旅から帰還したあなたは、地球の時間がわずか57分間しか過ぎていなかったと知り、呆然となる。 ……本作を聴きながらこんな妄想を広げてしまった。いや実際、一ノ瀬響という音楽家の脳内に広がる宇宙と、きらめく星々のように個性的なサウンドのアイディアが散りばめられた、いかにも処女作らしい作品。同時に、一定の音響状態を提示してみせる4つの断章と、音楽的な物語を展開する楽曲とを交互に聴かせながら、第8曲の激しいカタルシスに向かって進行していき、その後に静かな抒情を湛えたアルバムタイトル曲を配置する戦略にも、作家としての構成力を感じる。聴き終えた後、もう一度「旅」に出たくなって再生ボタンを押してしまう、そんなアルバムだ。

ヲノサトル(音楽家)

まず、タイトルに目を奪われました。

当時の私は作家レイ・ブラッドベリ氏の事など知らず、音楽はクラシックやフュージョンばかり聴いていたんです。そんな時、CD屋さんのクラシックコーナーの、すぐ隣のコーナーで見つけたのが「よろこびの機械」でした。そのタイトルとシンプルで綺麗なジャケット。それだけで手に取りレジに持って行きました。正直趣味じゃなくてもいいと思ったのですが(すみません…)、何か予感めいた物があったのかもしれません。
家に帰りそのCDをかけると、正に音の洪水。手に取ったのは間違いじゃなかったと確信した瞬間。それは私が初めてきちんと聴いた「電子の音楽」でした。

私と電子音楽、そして一ノ瀬さんに出会わせてくれたこのCDが今回再販されると聞き、本当に嬉しく思います。私にとって、いつまでも変わらず特別で、いつも何かをくれる一枚です。
これからも新鮮さと懐かしさが同居する中で、このアルバムをずっと聴き続けて行くでしょう。

riya(ミュージシャン / eufonius)

幼いころ、いつも決まって見る夢があった。
目の前にそびえ立つ機械、ゆっくりと回転する大きな歯車。

そこから生み出される響きに耳を傾けていると、
すーっと自分の内側へと意識が吸い込まれてゆく。
静謐でありながら、有機的なエネルギーに満ちた不思議な響き。

このアルバムを聴いて、何十年ぶりにあの夢の光景を思い出した。
それはまさに、時空を超えた自身の心の中への旅だったのだろう。

原 典子(編集者/『CDジャーナル』元副編集長)

Sound

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Information

よろこびの機械2015 / 一ノ瀬響
TITLE
よろこびの機械 2015
The Machineries of Joy 2015
ARTIST
一ノ瀬響
Kyo Ichinose
LABEL
Novel Sounds
DATE
2015/01/23
PRICE
¥3,800+税
FORMAT
B5判24Pブックレット+CD
24-page wide format full color
art book with CD(182x257mm)
TRACK
1. Engine#1
2. Planetarium
3. Engine#2
4. Blue grains
5. Engine#3
6. Installation
7. Engine#4
8. Difference mind
9. The Machineries of Joy
10. Angelic overflow

Produced by Kyo Ichinose
ReMastered by Zengyo
Images / Design : 小阪淳 Jun Kosaka
Liner notes : 西村佳哲 Yoshiaki Nishimura

"The Machineries of Joy"
Originally released in 2002
(Current/F.R.D Record)

一ノ瀬響 Kyo Ichinose

1972年、東京生まれ。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業、同大学大学院音楽研究科修士課程修了。大学在学中に安宅賞受賞。2002年、半野喜弘主催のcurrentレーベルより初のソロアルバム「よろこびの機械」を発表。独自の豊穣なエレクトロニックミュージックにより、その後も3枚のソロアルバム(「Lontano」「Protoplasm」「Earthrise 2064」)をリリース、UKの音楽雑誌「WIRE」にて年間ベストアルバムの1枚に選ばれるなど、日本はもとよりヨーロッパをはじめとする海外からも高い評価を受ける。ソロ活動以外でも、数々の先鋭的なCMや映画のサウンドトラック制作、演奏家からの委嘱作品の作曲、アーティストとのコラボレーション、インスタレーションのサウンドプログラミングまで、常に音と音楽の境界を探るジャンル横断的活動を展開している。

Born in Tokyo on June 26, 1972, Kyo Ichinose graduated with honors in composition from Tokyo National University of Fine Arts and Music in 1995, and continued to study composition in a postgraduate course. He received his M.A. in music in 1997. In 2002, Kyo released his first solo album “The Machineries of Joy”, which was an unique and resonant amalgam of electronic and instrumental sound.
So far, he has released 4 solo albums, and the 2nd album “lontano” was selected as one of the best albums in 2004 on WIRE magazine(UK). He’s also been producing, playing, and composing a wide range of music including soundtracks for movies, commercial films, and collaborations with architects, interior/graphic designers, and artists. He magically transforms broad sound materials ranging from “noise” to “beautiful melodies” into breathtaking music, and transcends many genres of music. He is now revered as a cutting-edge creator and mastermind in all cultural industries.

website: http://www.kyo-ichinose.net

小阪淳 Jun Kosaka

大阪大学工学部建築学科卒業。東京芸術大学大学院美術研究科建築専攻修了。1994年-2000年SFマガジン(早川書房)装画担当。 2006年Sony ExploraScience(北京)に4作品常設。 文部科学省「一家に一枚宇宙図2007」制作に参加。2007年カンヌ国際広告祭2007Cyber Lions銅賞受賞。 2010年東京書籍「宇宙に恋する10のレッスン」出版(共著) 2011年高岡市市場再開発プロポーザル。2000年-朝日新聞にビジュアル連載。2011年東京都写真美術館「映像をめぐる冒険vol.4見えない世界のみつめ方」参加。2013年国立天文台「宇宙図2013」制作に参加。2014年国立天文台「太陽系図2014」制作に参加。

Jun Kosaka finished undergraduate course in architecture at Osaka University, and the master's at Tokyo National University of Fine Arts and Music.
He drew cover illustrations for publisher Hayakawa's S-F Magazine from 1994 to 2000, and also series of visuals for Asahi newspaper since 2000.
Sony ExploraScience (Beijin) exhibited four of his works as a permanent exhibit since 2006.
He is the co-producer for "Diagram of our universe" (2007&2013), "Diagram of the solar system" (2014) for National Astronomical Observatory of Japan, and has also co-written "10 lessons about the universe" (2010).
He received the bronze Cyber Lions award at the Cannes Lions International Advertising Festival 2007.
In 2011, he joined the market re-development project in Takaoka-city and participated in the exhibition "Quest for Vision vol.4 Beyond the Naked Eye" at the Tokyo Metropolitan Museum of Photography.

website: http://jun.com/